ぼくのたわごと(別館)

ハロヲタ兼ロック好きの趣味ブログ

ビートルズ 赤盤(The Beatles 1962-1966)2023版

前回、取り上げた「Now And Then」に引き続き、2023年11月10日にビートルズのベスト盤、通称「赤盤」、「青盤」がリリースされました。
2023 Editionと名乗る本作ですが、新たなミックスとともに、従来の「赤盤」、「青盤」より曲数も増えております。(26曲→38曲)

このちょうど増えた曲と言うのが従来の各盤のそれぞれ隙間を埋める選曲でして、
例えば2曲目の「Please Please Me」の次に「I Saw Her Standing There」が入っていたり。
従来の各盤に比べるとより各アルバムを意識できる選曲になっていると思います。

ただ、長年ビートルズを聴いている僕としては特に「赤盤」はオリジナルの曲順を意識してしまうんですけどね(笑)。


個人的な感想としてはディスク1はよりロックンロールバンド、メロディメイカーとしてのビートルズの色が強くなったような気がします。
オリジナル曲の「I Saw Her Standing There」はもちろん、「Twist And Shout」、「Roll Over Beethoven」と言ったカバーなど、
全体的にイキイキとして甘いメロディを奏でる世間の人達の思い描くビートルズ像の一面がこの1枚に凝縮されているといっても過言ではないでしょう。


問題はですね、ディスク2なんですよ(笑)。
こちらは通常の「赤盤」でしたらなんとなく無難にまとまっている印象でしたが、
「Revolver」からの楽曲を増やしたことによっていくぶんサイケなビートルズが顔を出しているんですよね(笑)。

そもそも従来の「赤盤」では「Revolver」からの楽曲は「Elenor Rigby」と「Yellow Submarine」の2曲でしたから、
オリジナルアルバムを聴いてから「赤盤」を聴くと終盤に若干の物足りなさを感じることもあります。
そういう意味では今回「Revolver」より追加された「Taxman」、「Got to Get You Into My Life」、「I'm Only Sleeping」、「Here, There and Everywhere」、「Tomorrow Never Knows」の5曲はちょうどその物足りなさを埋めてくれる楽曲だと思います。


しかし、ディスク2は改めて聴くとサイケアルバムですね。
1曲目の「Help」から「We Can Work It Out」までの3曲くらいはグッドメロディのビートルズなのですが、
4曲目の「Day Tripper」あたりから何となく雰囲気が変わってきて、
5曲目の「Drive My Car」はもろサイケでかつリズミカルな感じですし、
6曲目の「Norwegian Wood」はシタールの響くオリエンタルな感じですしね。
改めて聴くと12曲目の「Paperback Writer」もサイケな感じがするし、
13曲目の「Elenor Rigby」からの「Revolver」の楽曲群は言うまでもないでしょう。

従来の「赤盤」では「Rubber Soul」に比べると影の薄かった「Revolver」の面目躍如がこの新「赤盤」では果たされていると思います。
そう言った意味では真のビートルズ入門版と言えるのではないでしょうか?


と言うことでビートルズの「赤盤」の2023年版の感想を書かせていただきました。
もし「グッドメロディーで甘いメロディのバンド」としてのビートルズを思い描いている方がこのアルバムを聴かれたらイメージを覆すような曲もあり、
きっとびっくりされるかもしれません。
このアルバムを契機としてオリジナルアルバムも聴いていただければ嬉しいなあと、中学生以来のビートルズファンの僕は思います。