ぼくのたわごと(別館)

ハロヲタ兼ロック好きの趣味ブログ

Now And Then

The Beatles - Now And Then (Official Music Video) - YouTube

ビートルズが正式に解散してからしばらくたった1970年代半ば、ジョン・レノンはニューヨークシティの自宅で、一連のデモをカセットテープに直接録音した。
1980年に彼が亡くなった後、妻のオノ・ヨーコからそれらのテープを託されたメンバーのポール・マッカートニーリンゴ・スタージョージ・ハリスンの3人は、1995年にジョンのスケッチから生まれた三つの新曲の制作に着手した。
そのうちの2曲(「Real Love」と「Free As a Bird」)はすでに発表されているが、残りの1曲はセッションが終わるまでに完成しなかったのだという。
「『Now And Then』に取り掛かってみると、ある意味、ジョンの存在が隠れてしまっていて、とても難しかった」と、リンゴは最後の楽曲の制作秘話を描いたドキュメンタリーの中で語っている。
「ジョンのデモテープでは、ピアノが少し聞こえづらかった」とポールも振り返る。
彼らはジョージにギターパートを録音させるなどして、曲の構成要素のいくつかをまとめたものの、ジョンのボーカルをピアノからうまく切り離すことができなかった。
そのため、「『Now And Then』はお蔵入りとなったようなものだった」とポールは言う。

そして2022年、ピーター・ジャクソン監督のチームが2021年公開のビートルズのドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』のために開発した機械学習技術を駆使して、エンジニア陣は「Now And Then」のオリジナルデモからジョンの声を分離することに成功。
残されたメンバーにとって、ようやく楽曲を完成させることが可能となった。
「まるでジョンがそこにいるみたいだ」と、今では水晶のようにクリアになったボーカルトラックについてリンゴは語る。
「斬新だよ」。そしてポールとプロデューサーのジャイルズ・マーティン(ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティンの息子)は、ジョンの1970年代のボーカルとジョージが1995年に奏でたギター、そして新たに収録したポールとリンゴのボーカルと楽器パート、さらにはストリングスアレンジを組み立て、晴れて「Now And Then」は完成した。ビートルズの4人全員の特徴的な魅力を有した、悲しげなバラードであり、感動的な別れの曲でもある。
このシングルは当初の意図をはるかに超えて、心に響く楽曲となった。
(Apple Music「Now And Then 」アルバム紹介より引用)

ビートルズの「ラストシングル」、「Now And Then」が2023年11月2日に公開されました。

イギリスのシングルチャート、Official Singles Chart Top100では11月10日に登場2週目にして1位を獲得しています。
www.officialcharts.com


最初、僕がこの曲を聴いたときにオアシスのリアム・ギャラガー作曲の「I'm Outta Time」に通ずるものがあるなと言うこと。
Free As A Bird」や「Real Love」と比べるとビートルズっぽさがそこまで強くない気もしますし、ビートルズを現代解釈で捉えるとこうなるよなと思いました。
逆に言えば、ジョンの声をサンプリングしているとは言えビートルズ(またはジョン)に寄せられるような楽曲を書いたリアム・ギャラガーの作曲能力が思った以上に高いとも言えますし、
またジョンの曲がもとにあるとは言え、存命でこの2020年代にも楽曲を生み出しているポールやリンゴ、また在りし日のジョージの息吹が端々に感じられる、そんな楽曲であると言えます。


楽曲の詳細はWikipedia先生にお任せするとして、
ja.wikipedia.org


今回の「Now And Then」リリースに伴い、「赤盤」、「青盤」も曲数を増やしてリニューアルされています。
「Now And Then」は「青盤」のラストの楽曲として登場するのですが、オリジナルの「青盤」のラスト楽曲「The Long And Winding Road」の後に続いてもそんなに違和感はない感じですね。
(もっとも、「The Long And WInding Road」の感動的な終わり方で終わる方がしっくりきますが)
またシングル盤「Now And Then」は他にも「Love Me Do(2003 Mix)」も収録されておりまして、これはこれで「音むっちゃクリアだー!」とか「聴きなれた(いい意味で)能天気なビートルズだー!」とか思ったりします。

それくらい、「Now And Then」の陰鬱で物悲しい感じが対照的なんですよね。
大人と言うか、色々酸いも甘いも知った、そんなビートルズな感じがします。


まだこの曲の感じに慣れてはないけど、きっとこれからちょくちょく聴くんだろうな。
とともに、ポールとリンゴにはまだジョンやジョージのもとに行ってほしくないなとそう思いました。


ビートルズよ永遠なれ。

Now And Then

Now And Then