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KID Aをリアルタイムで聞いた人間が感じたKID Aに対する思い

レディオヘッドが生んだ20世紀最後の名盤『KID A』。なぜ時間とともに評価されたのか? | ハフポスト

昨日、グーグルのトップ開いていたらこんな記事を見つけました。


Kid A

Kid A



レディオヘッド通算4枚目のアルバム「KID A」

前作、OKコンピューターとは一転した電子音に溢れるアルバムに当時は衝撃を持って受け入れられました。

今は多少、落ち着いているのかもしれませんが、当時の日本の音楽メディア(主にロキノン)のレディオヘッドの新作に対する騒ぎっぷりは異様でしたよ(笑)。

それこそ、OKコンピューターがものすんごく評価されたもんだから、KID Aはもちろん、絶賛の嵐。

個人的にはOKコンピューターも言う程すごいアルバムかあ?ってその時は思っていた為、KID Aの絶賛の嵐にはもう物凄く違和感を覚えてました。

だから、メディア側(もちろん、この対談の文脈では世界の、でしょうが)の

前作までのギターサウンドは影を潜め、実験音楽のような電子音とリズム、メランコリックで難解な歌詞――。たちまちメディアや音楽評論家の間で論争が巻き起こる。これは“ロック”ではない、と。

当時のレビューからもメディアの酷評ぶりがよくわかる。

この反応は少なくとも日本ではありませんでしたね。

ロキノン編集者でもお一人だけ唯一、否定も肯定もしなかったくらいで。


むしろ、この記事を受けてのTwitterでの反応を見ると、ここ日本では戸惑っていたのはリスナーのようですね。

レディオヘッドを聞くのは背伸びするような感覚だった、とか、やはり数年は受け入れられなかった、とか。


かく言う僕も戸惑ったクチです。

1998年あたりにドラムンベースとかのブームもありましたし、ある程度、ダンスミュージックには免疫はあったつもりなんですよ。

でも、1曲目のEverything in Its Right Placeが始まった瞬間のひんやりとした感じ。

あれはロックリスナーとしては戸惑いますよね。

3曲目のThe National Anthemでようやくロックっぽいアプローチが出てくる。

しかし、全体としてとんでもなく不穏と言うか、陰鬱な曲が続き、10曲目、ラストのMotion Picture Soundtrackがそれを浄化するかのような、そんなカタルシスに満ちた、このアルバムで唯一救いのあるような雰囲気の曲ですよね。


リスナーとしてはリリースから18年半経った今としては全く違和感を持たずに聴けるアルバムです。

しかし、当時の反応としてはロキノン読者の

「このアルバムがレディオヘッドのアルバムじゃなきゃ好きになってた」

と言う反応がある意味では正直な感想で、日本の音楽メディアは当時のライナーノーツを見ても分かる通り、大熱狂だったように僕は覚えています。

ライナーノーツでアルバムに対するネガティブな反応は書けないとしても、なんとなく、KID Aを評価しないといけない空気みたいなのを個人的には感じてました。


でね、この当時、トム・ヨークが火に油を注ぐようなことを言ったんですよ(笑)。

「ロックはゴミだ」

と。


そりゃあ、ロックリスナーとして心中穏やかじゃないですよね(笑)。

折しも2000年といえばニューメタル全盛。

オアシスも4作目でややサイケな方向に走りましたが、レディオヘッドまで大胆な方向転換はしなかったのもあり、僕の心の拠り所はオアシス他、ロック的なアプローチをするバンドでしたね。


翌年、レディオヘッドはこのKID Aとある意味では対になるアルバム、アムニージアックをリリースするのですが、こっちの方がむしろ、KID Aの衝撃がデカすぎて、評価されていないんじゃないかな、と思うくらいです。

こちらはアプローチとしてはジャズだったり、ギターがきちんと鳴っていたりで、ロックらしさがまだあるアルバム。

僕自身もこちらの方がすんなり受け入れられましたし、今でもレディオヘッドの最高傑作と信じてやまない作品です。


今や世界的バンドとなったミューズのマシュー・ベラミーがKID Aとアムニージアックを評して上手いことを言っていました。

曰く、

「KID Aは炎を遠くから見ている感じだけど、アムニージアックは炎の中にいる感じ」

と。

これこそが一番KID Aの感想をわかりやすく言い表しているのではないか、と僕は思います。


あれから、レディオヘッドはもはやロックとは遠いところに行った印象が僕の中ではあります。

その是非はさておき。

そのターニングポイントとなったのが間違いなく、このKID Aでしょう。

音楽が多様化したなか、ロックリスナーにとって踏み絵となるような存在のアルバムはそうそうないと思います。

そう言う意味ではこのKID Aはある意味、踏み絵ではないか、と。

トム・ヨークにはその意図はなかったでしょうが、1990年代後半から2000年代において、これほどリスナーとして試されていると感じたアルバムは後にも先にもないです。


日本ではくるりスーパーカー同様のエレクトロなアプローチのアルバムを発表し。特にスーパーカーは解散まで、エレクトロ色の強いアルバムを出し続けました。

当時、スーパーカーのナカコーはレディオヘッドとはたまたま音楽性が呼応している、と雑誌で言っていたような気がしますが、それぐらいロックシーンに影響を与えたこのKID A。

このアルバムに関しては肯定でもなく、否定でもなく、この言葉がふさわしいでしょう。

ただただ衝撃だった

と。